+ + 後記 + +


 KirMERO第1回作品「Fool'sParadise」原作者、彪峰と申します。経緯説明のページでは努めて私情を省いて参りましたが、以下個人的な雑感を少々記させていただきます。

 まず、はじめに、ひとつだけ申し上げておきたいことがあります。この企画は残念な結果に終わってしまいましたが、ボイスドラマというジャンル自体はとても素敵なものだと思っておりますし、実際にこの件がきっかけとなり素晴らしい作品をいくつか拝聴する機会にも恵まれました。また、やむを得ない状況で企画が中止となる場合であっても、しっかりと各方面に連絡をされる企画者の方がほとんどであると思っております。
 それならば何故このようなサイトを立ち上げたのかと申しますと、たまたまではありますがこの企画には原作者が存在し、その性質上ジャンルの事情に疎い原作者、及びその作品の名前が前面に出ていたためです。企画サイトはなくなりましたが、原作者のサイトは存続しています。企画をご存知だった方が何もわからないままにサイトが不通になれば、原作者や作品の名前で検索を掛けることも多いでしょう。何とかその方々に経緯をわかっていただきたく思いました。


 以下は私の主観的な経緯になります。

 KiMERO代表の方から初めてメールをいただいたのは2007年1月中旬のことでした。自分の作品を目に留めていただいたことを非常に光栄に感じ、また嬉しく思ったことを記憶しております。2月頃までは非常にメールの返信も早く、まさにトントン拍子に企画が運んでいきました。絵師の方に描いていただいたイラストもイメージにぴったりでしたし、音楽担当の方の書かれる曲も個人的には非常に好みでした。

 あれ? と思うことが増えたのは2月に入ってしばらくした頃でしたでしょうか。脚本を送信しても返信がいただけなかったり、サイトの記述がいつの間にか変わっていたり、ブログ記事も何度か書き換えられていたり、削除されていたりしました。ブログでは1度私のキャラクタを使って台詞の掛け合いのようなものを書かれていましたが、正直私のキャラクタ像とは違っていて非常に困惑したのを覚えています。

 そんな中第1回が公開され、ほっとするような想いが致しました。キャストの方の演技も素晴らしく、まるで自分のキャラクタに生命を吹き込んでいただいたようで、とても嬉しかったです。
 ただひとつ気になったのは、最初のチャットで「脚本に手を加えるが、台詞は変更しない」とおっしゃっていたにもかかわらず、台詞が幾つか変更されていたことでした。もちろん私にとっては初めて書いた脚本ですから、修正していただくことに異存はありません。しかし最初のお約束と違われるのなら、ひとこと教えていただきたいな、と思いました。

 ひとつひとつの積み重ねで少々不安が募っていた頃、3/13に第2回が公開されたとの連絡をいただきました。たまたま留守にしておりましたので、3/15に帰宅しましてサイトを確認したところ、不通となっておりました。サーバ障害か何かかと思いつつH氏からの連絡をお待ちしていたのですが、3/17になり私のサイトに転送されるようになってしまいました。さすがにこれには慌てました。
 まずドメインの設定が変更できるということはH氏はネット環境にあるのではないかということ、さらにKirMEROへの訪問者が私のサイトに転送されては混乱されるであろうということ。急遽サイトトップにお知らせを出すなどの対応を取らせていただきましたが、当時の訪問者の方には本当にご迷惑をお掛かけしたことと思います。

 関係者の方とも連絡を取らせていただき、半ば諦めの心地になりつつあった3/22、KirMEROサイトが復活しました。それ自体は非常に喜ばしいことだったのですが、ブログに書かれた説明には腑に落ちない点が多々残っておりました。また関係者個別にメールなどでのご連絡がなかったことも不審でした。とにかく早くメールをと取り急ぎH氏には連絡させていただきましたが、次の日には解散の宣言を、こちらもブログでなさっていました。3/13に第2回を公開したとのメール以降、私は一切連絡をいただいておりません。

 企画引継ぎの件についても、さすがに私の一存でお受けすることはできないけれども、データだけでもいただけないだろうか、勝手な二次利用はしないがせめて収録分でも拝聴したい、とお願い致しました。しかし返事のないまま数日が経ち、アドレスは既に削除されております。


 今でも何が何だかわかりません。最後のブログ記事に書かれていた私信は私宛でしたが、正直内容は良く理解できませんでした。
 ただ、最初におかしいな、と思ったとき、どうしてもっと積極的に動かなかったのか、結果的に多くの人を巻き込む結果となった今では悔やまれてなりません。自分の作品を取り上げてもらったという喜びに目が眩んでいたのかもしれません。その点で、皆様には本当に申し訳ないことをしたと思います。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。


 末尾になりましたが、関係者各位の皆様には突然不躾なメールを送らせていただいたにも関わらず温かいお言葉を掛けて下さり、またご多忙にも関わらず経緯の把握に協力していただいたこと、本当に感謝しております。ありがとうございました。


 彪峰拝 2007/03/25


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